ミャンマーのはなし

東南アジアのユニーク国家、ミャンマーに関する情報を発信していきます。

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ミャンマーの上場企業「5」社の事業内容をご紹介!!

ミャンマーの上場企業についてまとめました。

 

ミャンマー唯一の証券取引所ヤンゴン証券取引所は、ミャンマー経済銀行(国営)と、日本の大和総研などの出資で2015年12月に開設されました。

 

上場企業は銀行など5社に留まっており、過去1年間の取引額は1日平均4600万チャット(約320万円)と、かなり小規模です。

 

一方で、近年は外国人の株取引解禁も前向きに検討され始めるなど、徐々に変化の波が。

日本人である我々にも購入のチャンスが出てきそうなので、ここで上場企業5社を確認してみましょう。

 

 

 

1.【FMI】First Myanmar Investment

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 ヤンゴン証券取引所への上場第一号企業です。国内の各種主要セクター手掛ける複合型コングロマリットで、SPA(サージパン&アソシエイツ)の基幹企業です。

 シンガポールのYOMAは姉妹企業。ミャンマー国内ではヨマ銀行(市場シェア5位)を運営しています。
 近年はヘルスケア事業にも力を入れており、パンライン・シロアム病院の運営等を行っています。

 軍政時代、軍部から距離をおいた経営を取っていたという事で、クリーンな企業として有名です。

 

2.【TSH】Thilawa SEZ Holdings

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 ティラワ経済特区における不動産開発を行っています。逆に言えばティラワ関連の事業しか行っていないのですが、多数の海外企業を誘致し、今のところ順調に運営も行われていることから、企業としての安定性も高いかと思われます。


3.【MCB】Myanmar Citizens Bank

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 国内でMyanmar Citizens銀行を運営しています。シェア率という面ではもっと大きな銀行がいくつかあるわけですが、経済成長という追い風に加えて、ミャンマー他国に比べても銀行の使用率が低い(信用度が低い)という特徴を持っており、業界全体の上昇基調に乗っかる形で好調な経営を続けていきそうです。

 

4.【FPB】First Private Bank

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 こちらも国内で銀行業を行う企業で、シェア率はあまり高くありません。ただ、先の企業と同様、ミャンマーの銀行業自体が上昇基調ですから、先行きは決して悪くないのではないでしょうか。



5.【TMH】TMH Telecom Public Co., Ltd.

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 国内で事業を行う通信関連会社です。国内最大手の通信会社MPTプリペイドカード販売や、光ファイバーケーブルの管理事業、ヤンゴン・マンダレー間、マグェー間の高速道路の修理など、手広く行っているようです。

「ミッソンダム」と「中国」。ミャンマーは反中か、親中か……?

 「親日国」と言われることの多いミャンマーですが、隣接する中国との関係はどうなのでしょうか。今回は、ミャンマーと中国との間に存在する1つの問題、「ミッソンダム建設プロジェクト」について紹介をします。

 

 

【ミッソンダム】国民の不満を受けて開発は停止……?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201904/CK2019042502000151.html

 

 習近平主席の掲げる「一帯一路構想」に参加の意を表明しているミャンマーですが、その一帯一路構想の要とも言われている、水力発電ダム、「ミッソンダム」の開発に関する計画が、政治的に大きな問題を抱えています。

 

 ミッソンダムは2009年、当時のミャンマー軍事政権と中国企業が契約し、エーヤワディー川上流で着工しました。建設費は36億ドルとい巨大プロジェクトで、完成すれば、発電量は600万キロワットと言われています。経済発展と共に電力不足も深刻化しているミャンマーで、このような巨大ダムは貴重な存在と言えそうですが、国民からは下記2点で反発を受けています。

 

国民の不満①「エーヤワディー川に悪影響がありそう!!」

上の地図を見ても分かるように、エーヤワディー川はミャンマーを南北に横断する大河です。その上流にダムを作ってしまう事で、水量にも影響が出てくるのではないかという不安、ましてや他国の民間企業が建設ということで、「そんなもの作るな!」という批判が出ているようです。また、ダムを建設するに当たっては、森林の伐採など、周辺の自然環境にも大きな負荷がかかりますから、環境保護に対する不満も多く出ているようです。

 

国民の不満②「発電した電気は中国が9割貰う!?」

こちらは契約の段階で既に決まっていたのですが、なんと発電量の90%が、中国側に供給されてしまうとのこと。貴重な収入源にはなりそうですが、国民から、「いや、こっちにくれよ!」という不満が出てくるのも仕方ないのかも。

 

【やるか?やらないか?】決断できないミャンマー政府

 こういった国民からの反発を受けながらも、ミャンマー政府は建設中止を決断できないでいます。時系列にまとめると、下記の図のようになります。

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 反対姿勢を表明していたNLDですが、政権交代以降、明確に態度を表明することはありませんでした。加えて今年の3月には、アウンサンスーチー氏が「もっと広い視野考えて欲しい」と国民に呼びかけたことで、「中国からの圧力か??」と話題を呼びました。

何故NLDは、短期間でミッソンダムに対する考え方を変えてしまったのでしょうか。理由としては、下記の様なものが考えられます。
 

「やらない」と言えない理由①「中国への配慮」 

 ミャンマーは短期的な解決の難しい、困難な政治的課題を数多く抱えているのですが、その中のいくつかには、中国の対応がカギを握るようなものもあります。

例えば、少数民族との和平。数年前、ミャンマー政府は、政府との停戦協定に署名をしていない民族勢力(7勢力)に「会議へ参加してください!」という招待状を送ったのですが、この招待状は全て中国大使館を経由して届けられ、出席者は中国を経由してネピドーへ向かいました。とにかく中国の影響力が強い。利害のある中国が動かなければ、北部の民族和平はあり得ないとすら言えます。

 

「やらない」と言えない理由②「少数民族への配慮」

 建設予定地域であるカチン州は、武装集団「カチン独立軍」が軍事的に影響力を持っている地域でもあり、彼らはもちろんミッソンダム建設に反対しています。つまり構図としては、少数民族に強い影響力を持つ中国に配慮してミッソンダムは建設してしまいたいのだが、ミッソンダムを建設するとカチン族やカチン独立軍から反発を受け、和平からまた一歩遠のく」という良く分からないジレンマに陥っているのです。

 

「やらない」と言えない理由③「選挙には勝ちたい」

 国民の多くから好まれていないミッソンダムを無理に建設してしまえば、与党NLDへの支持率低下にも繋がりかねません。これは比較的分かりやすい理由ですね。

 

以上のような理由から、政府はもう非常に困った状態に置かれているわけですが、代案として「別の場所に小さなダムを作る」などのアイデアが出てはいるようです。この問題、今後どのような形で着地をするのでしょうか……。

 

参考文献