ミャンマーのはなし

東南アジアのユニーク国家、ミャンマーに関する情報を発信していきます。

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独裁者タンシュエの、嘘か本当か分からないエピソードについて

以前ご紹介したタンシュエについての書籍ですが、読んでみると彼の生い立ちだけでなく、にわかには信じ難い驚愕のエピソードも多く記載されていました。

www.yangon.tokyo

 

本記事ではそちらのエピソード部分についてシェアできればと思ってます。

謎の多い人物なので、脚色もしくは架空の話であるという可能性もあります。

都市伝説的な感じで、話半分に読んで頂ければと思います。

→ 個人的には「どれもあり得るな」という印象持ってますが……

 

 

娘の結婚式で5000万ドルが飛び交う

2006年6月。彼女の娘であるタンダーシュエゾーピョーウィン少佐の結婚式が開かれました。この際、利権を求める政商や軍人たちから総額5000万ドルに及ぶ結婚祝いが飛び交ったそうです。

5000万ドルって。東MAXの結婚式も結構豪華でしたが、もうレベルが違います。海外首脳ももちろん呼ばれていたらしく、リー・クアン・ユー(当時のシンガポール首相)は、宝石に身を包んだ彼女の姿を「クリスマスツリーみたいだ」と評した、との噂。結構言いますね……

  

疑惑の宝石

その結婚式で着けていた宝石は、モーゴウで最も裕福とされる宝石店の家族が貸し出したものなのですが、この家族はなんと、しばらくして何者かに殺害されてしまいます。監視カメラのスイッチも切られていたので真相は藪の中ですが、ひょっとすると……という話も国内にはあるようです。怖……。

この宝石店については、以前こんな話もありました。

winjapn1789.livedoor.blog

 

国軍に金を買わせる?

2008年には、タンシュエの別の娘が、マンダレーの22番街にある貴金属店を訪れ、1億チャット相当(1000万円くらい)の装飾品を買っていきました。この際、支払いは現地の国軍司令官に命じたと言われています。

まぁ日本でも市長が公費でセンチュリー買ったりしてますから、この辺は比較的有り得そう、かな?

 

中国に土地を売った?

その一年前には、次女のキンピョーシュエが、中国の投資会社に土地を売って2億ドルを稼いだという情報も。手続きは一週間で完了したそうですが、その真偽は……?

 というか金額がいちいち凄い。

 

黒い繋がり?

息子のチャイサンシュエは、違法な賭博業に関与していたとの噂。現在も各種ビジネスに勤しんでいるらしく、クラシック・インターナショナル・カンパニーという地場の建設グループは、彼が経営している、らしい…… 

 

デパートの発電機をゲット

2002年、タンシュエ一家はモールメインのデパートへ行った。店が使用していた発電機を気に入り、トラックに積んでヤンゴンへ配送させた、とかなんとか。

 

孫が マンU買収を要望

孫のエーシュエトゥエアウンはサッカーが好きで、タンシュエは孫に頼まれて、マンチェスター・ユナイテッドの買収を検討したことがあるなんて話も。

マンU欲しい」って、私も言ってみたい。

 

ヒマワリ畑を栽培せよ

国内を視察していたタンシュエ。訪問先で出された野菜に、ひまわり油をかけたいと言い出しました。なんとか探し出して差し出すと、何の気なしに「この辺の農家がみんなヒマワリを育てれば良いのにね」と発言。すると直ちに一帯の農家に、ヒマワリ畑を栽培せよとの命令が下された、とのこと。これはちょっと面白いですね。

「ビルマ式社会主義」って何?

ミャンマーでは1962年〜1988年までの期間、ビルマ社会主義と言われるイデオロギーの下で、一党独裁・産業の国家独占を進めている時代がありました。

先日ビルマ社会主義(著:桐生稔)」という本を読んでいたら、これが面白かった!今回は印象的な部分を4点ほど挙げさせていただきます。

 1979年に出版されているので、まさにビルマ社会主義体制の真っ只中にあった頃の本です。当時のミャンマー情勢なんかが分かって、非常に読み応えがありました。

 

ポイント1:経済へのダメージ

ビルマ社会主義は、ネウィンによる26年間の独裁体制下と時を同じくしています。この期間に実施された計画経済政策は失敗、戦前は「アジアの米びつ」とも呼ばれるほど豊かであったミャンマーはアジア最貧国という地位へ転落することとなってしまいました。外資不足で輸入は制限され、国民は、密輸入品に依存。政府の統制が厳しくなればなるほど、闇市は拡大していきました。

 

ポイント2:国家の経営スキル欠如

急激な国有化あるいは、国有化による経済構造の変化により、ビルマの経済は混乱しました。それまで長い間、経済の担い手であったインド人や中国人の追放。それに替わって国家が経済を主体的に動かすことになりましたが、経営・管理技術の不足企業家意識の欠如などで、円滑な運営とはなりませんでした。

 

ポイント3:闇市の拡大

外資不足で輸入は制限され、国民は、密輸入品に依存。政府の統制が厳しくなればなるほど、闇市は拡大していきました。

 

ポイント4:軍事攻勢は抑制的?

社会主義化によるビルマ族社会の経済停滞は、少数民族軍にとっては意外にも都合が良い状況だったようです。軍事攻勢は制限的になりましたし、大規模な密輸などを通じて、独自に外部社会と接触し、資金を獲得できました。