私自身、そこまでミャンマーの政治に詳しいわけでは無いのですが、日頃、テレビや新聞等で日本メディアの報道を見聞きすると、主な登場人物は「ミャンマーの顔」とも言えるアウンサンスーチーさん1人。
しかしながら、彼女の役職は大統領ではなく外務大臣。所属する政党、NLDにおいて絶対的な権限を持っているのは間違いありませんが、ことミャンマーという国家の運営に限って言えば、他にも様々なプレイヤーが存在します。
というわけで、今回は私の知る重要人物たちをちょっと紹介。今日は3名だけですが、今後も時間を見つけては紹介していきたいと思います。
ウィンミン(Win Myint)大統領
ミャンマーの現大統領です。直前まで大統領を務めていたティンチョー(Htin Kyaw)は体調不良で3月に辞任。1週間ほど副大統領ミンスエ(Myint Swe)が大統領代行を務めた後、3月30日、新大統領として任命されました。
弁護士出身で、2年前の政権発足とともに下院議長に就任。租税法や投資法といった、重要法案の審議を差配していました。
先日、地元紙「イレブン」の記者がヤンゴン管区で拘束された際には、彼が介入し、解放を要求したと報道されています。
ミンアウンフライン(Min Aung Hlaing)国軍最高司令官
2011年3月30日から現職。先代のタンシュエ(Than Shwe)は軍事政権トップとして独裁的地位を確保。極めて保守的な軍人でしたが、ミンアウンフラインは民主化にも比較的寛容な立場で、諸外国を巡りながら関係修復に取り組んでいます。昨年は日本へも来ました。
ただ、ラカイン州における、イスラム教徒の迫害等に関する問題においては、排他的な言動が目立ち、欧米をはじめとした先進国との亀裂は深まっています。この影響か、彼のfacebookのアカウントは閉鎖。代わりに作成したロシア系のSNSもアカウントを削除されるという結果になっています……。
ピョーミンティン(Phyo Min Thein)ヤンゴン管区首相
総選挙の大勝後、最大都市ヤンゴンで首相を務めています。日本でいう東京都知事のようなポジションでしょうか。日経新聞にも書かれている通り、バス事業の大再編や企業誘致等で抜本的な改革を実行、一定の成功を収めています。
その剛腕ぶりから、現在「ポストスーチー」と目されていますが、今月8日には地元紙イレブンが
スクールバスの購入などの公共事業において、ピョー・ミン・テイン管区首相が主要株主を務める会社が関与。不適切な資金運用を行っている
と非難する記事を掲載しました。記事を書いた記者3人は拘束されましたが、現在ウィンミン大統領に、彼らを解放するよう要求されており、今後の動向には注目。