ミャンマー北部のラカイン州で、国軍によってイスラム教徒が迫害され、日夜多数の難民が発生しているとして、EU(欧州連合)は現在、輸入品の関税優遇措置の停止を検討しています。
EUが経済制裁検討 カンボジア、ミャンマーに (写真=ロイター) :日本経済新聞
実際に経済制裁が実施されれば、ミャンマー経済には大きくないダメージとなりそう。ただ欧米系格付け会社のフィッチ・ソリューションズは、22日に発表した報告書の中で、
「EUと米国がミャンマーに対して新たな経済制裁を科す可能性は低い」
との考えを示しました。
欧米による経済制裁、可能性低い=フィッチ - NNA ASIA
報告書の中では、「欧米の政治家らは、経済制裁によって市民生活に強い悪影響が及ぶこと、現政権への支持が弱まり、中国の影響力が増大することを懸念している」と分析がされています。
ミャンマー政府にとっては一安心といったところでしょうか。とは言え難民の帰還は依然として進んでおらず、紛争の解決も難しい状況です。欧米からの積極的な投資を呼び込むためには、これら山積する問題の解決が急務となっているわけですが、国軍の影響力は依然として大きく、与党のNLDが単独でコントロールできるものではありません。ミャンマー政府の次の一手は……。