ミャンマーのはなし

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「ビルマ式社会主義」って何?

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ミャンマーでは1962年〜1988年までの期間、ビルマ社会主義と言われるイデオロギーの下で、一党独裁・産業の国家独占を進めている時代がありました。

先日ビルマ社会主義(著:桐生稔)」という本を読んでいたら、これが面白かった!今回は印象的な部分を4点ほど挙げさせていただきます。

 1979年に出版されているので、まさにビルマ社会主義体制の真っ只中にあった頃の本です。当時のミャンマー情勢なんかが分かって、非常に読み応えがありました。

 

ポイント1:経済へのダメージ

ビルマ社会主義は、ネウィンによる26年間の独裁体制下と時を同じくしています。この期間に実施された計画経済政策は失敗、戦前は「アジアの米びつ」とも呼ばれるほど豊かであったミャンマーはアジア最貧国という地位へ転落することとなってしまいました。外資不足で輸入は制限され、国民は、密輸入品に依存。政府の統制が厳しくなればなるほど、闇市は拡大していきました。

 

ポイント2:国家の経営スキル欠如

急激な国有化あるいは、国有化による経済構造の変化により、ビルマの経済は混乱しました。それまで長い間、経済の担い手であったインド人や中国人の追放。それに替わって国家が経済を主体的に動かすことになりましたが、経営・管理技術の不足企業家意識の欠如などで、円滑な運営とはなりませんでした。

 

ポイント3:闇市の拡大

外資不足で輸入は制限され、国民は、密輸入品に依存。政府の統制が厳しくなればなるほど、闇市は拡大していきました。

 

ポイント4:軍事攻勢は抑制的?

社会主義化によるビルマ族社会の経済停滞は、少数民族軍にとっては意外にも都合が良い状況だったようです。軍事攻勢は制限的になりましたし、大規模な密輸などを通じて、独自に外部社会と接触し、資金を獲得できました。