「世界ネコ歩き」というNHKの番組では、動物写真家の岩合さんが、世界各地のネコを、ネコの目線の高さで撮影する様子を見ることが出来ます。猫ちゃんはどこへ行っても可愛いな~なんてことが分かるわけですが、それが野良犬となると、話は若干変わって来ると言いますか、軽率な触れ合いは命に関わりますので、気を付けてください。野良犬の多いミャンマーには、今もなお狂犬病のリスクが存在しています。ニュースサイトによれば、
今年1月から8月の8ヶ月間、狂犬病による死亡者は18名だった。この数字は同病院で治療された患者のみで、全国の病院を合計するとその数はさらに増えるとみられている。
ということでして、渡航者にとって野良犬との接触は、かなりリスキーな行為と言えます。
そもそも狂犬病とは
日本では1957年以降、感染が確認されていないようですが、東南アジアを中心とした途上国においては、前述したように毎年数十人の死亡者が発生。むしろ世界では、根絶できた地域の方が少ないようですね。
一般的には、感染から発症までの潜伏期間は1〜2カ月だそうです。具体的な症状としては、発熱や頭痛から始まり、錯乱、幻覚、攻撃性、恐水発作、最終的には呼吸停止で死にいたるという恐ろしい病気。一度発症すれば、致死率はほぼ100%です。
ミャンマーの野良犬事情
私の撮影した野良犬の写真もご紹介。
撮影場所は駅のホームです。時刻表の下で寝ていますね。
こちらは早朝に撮影。とても幻想的な1枚です。とにかく野良犬は至る所でお昼寝をしていまして、日々人間からの餌を口にしながら、生きながらえています。この点に関しては、「海外ZINE」というウェブサイトで面白い解説がされていました。
なぜミャンマー人はこれほどまでに、動物に餌をやるのが好きなのでしょうか。
ミャンマー人の9割近くが篤く信仰する上座部仏教では、信徒ひとりひとりが現世で積んだ功徳の量で来世が決まると説いています。功徳は僧院やパゴダ(仏塔)への寄付や、托鉢の僧侶への食べ物の寄進などで積めますが、弱者を助けることでも積めます。だから人よりも弱者である動物への餌やりにせっせと励むのです。
う~ん、なんだか納得。 とはいえ狂犬病への国家レベルの対策は、どう考えても今後必要になって来ます。狂犬病の根絶に成功した日本にも、何か協力できることがあるかもしれませんね。
もし噛まれたら……
国立感染症研究所によりますと、
海外、特に東南アジアで狂犬病が疑われるイヌ、ネコおよび野生動物にかまれたり、ひっかかれたりした場合、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し、医療機関 を受診する。狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与する。
ということでして、発症までの素早い対応が最も重要になって来ます。また、外務省の公式ウェブサイトにも同様の対応が必要であると表記されていますので、確認してみてください。
野生動物は、狂犬病に罹患している可能性があるため、犬に限らず野生動物と接触し感染の恐れがある場合には、速やかに医療機関を受診して適切な処置を受けてください。狂犬病は発症するとほぼ100%死亡する疾患です。犬などに噛まれた場合、必ず当日中に病院を受診し、ワクチンの接種を受けてください。